

先日投稿した、「耐震診断って何するの?」の続き、報告書作成編です。
現地調査で持ち帰ったデータを基に、報告書をまとめていきます。
らくらすホームでは、日本建築防災協会の「一般診断法による診断プログラム」というソフトを使って作成します。
まずは、建物の概要から。
築年数、構造・工法などの建物仕様、基礎仕様、床仕様、接合部の仕様などを入力。
続いて、
壁配置図を作成します。
間取りと壁の位置、壁の仕様などを入力します。
壁の仕様とは、その壁がどういう構成で出来ているかを入力します。
たとえば、外壁に面した壁の場合だと、外壁の種類(モルタル、サイディングなど)、壁の中の仕様(筋交いなどの有無)、内壁の種類(石膏ボード、ベニヤなど)といった感じです。この組み合わせによってその壁の耐力が決まります。
現場調査で得たデータからすべての壁の仕様を一つ一つ入力していきます。
これがなかなか大変な作業です・・・(^_^;)
最後に建物の劣化度を診断します。
外部では、屋根、外壁、雨樋、バルコニーなどに不具合がないか。
内部では、壁、床に不具合は無いかをチェックリストにそって記入します。
劣化点数が多いほど、その建物の保有する耐力が低減されます。
上記のデータを基に建物の構造評点というものがはじき出されます。
2階建ての建物なら、
1階のX方向、Y方向
2階のX方向、Y方向
4つの構造評点が出ます。
その中で最小の数値がその建物の構造評点となります。
構造評点は、
1.5以上:倒壊しない
1.0~1.5未満:一応倒壊しない
0.7~1.0未満:倒壊する可能性がある
0.7未満:倒壊する可能性が高い
となります。
1.0がボーダーラインとなりますね。
今回は、「倒壊する可能性が高い」との診断結果となりました。
耐震補強では1.0以上の数値に持っていくように補強計画を立てます。
その他、調査時の写真、地盤や地形などの注意事項もあわせてお渡しします。
以上が、一般診断法による耐震診断です。
一般診断法は、あくまでも非破壊で目視の範囲での調査です。
正直なところ、確認できなかった部分は実情より悪い評価となり評点が低くなる傾向があります。
しかし、住まいの健康診断として、おおよその耐震性を知るという意味合いでは価値があることではないでしょうか。
※広島市では住宅耐震診断の補助制度があります。
戸建ての木造住宅の場合、診断経費の2/3、限度額4万円まで診断費用が補助されます。
「広島市木造住宅耐震診断資格者名簿」には私も載っていますので、安心してご相談くださいね。