

こんにちは、園尾です。
築40年程度の住宅を耐震診断の結果に基づき行った耐震リフォーム工事の様子をレポートしていくシリーズ。
第4回目は耐力壁補強です。
耐力壁とは、地震による横揺れや台風による強風などが発生したときに、家が倒れないように踏ん張ってくれる壁のことです。
木造住宅における耐力壁の種類は主に2種類。
筋交い
つっかえ棒になる斜材を入れる方法。
耐力面材
ボード(合板)をを貼り付ける方法。
リフォームにおける耐力壁補強の場合、耐力面材を使う場合が多いです。
リフォーム向けの工法が豊富で、解体を最小限に抑えて補強できる利点があります。
耐力壁補強をする上で重要なのは、強度と配置のバランスです。
ただ合板を貼るだけでは耐力壁にはなりません。
合板の種類・厚さ、釘の種類・ピッチ、上下開口あり・なし、補強金物の種類などの規定があり、その組み合わせによって強度(評点)が変わります。
また、バランスも重要で、剛心(建物の強さの中心)をなるべく建物の真ん中に持っていくよう配置します。
建物の4面にバランスよく配置しないと、地震が起きた時、弱い所にねじれが集中して変形してしまいます。
洋室(面材耐力壁 大壁仕様)
柱面に合板を貼り付ける標準的な仕様です。
天井の一部に穴を開けて桁まで耐力壁を貼り上げます。
構造用合板12mm
釘種類:CN65(太め鉄丸釘 長さ65mm)
釘ピッチ:100mm
和室(面材耐力壁 真壁仕様)
柱と柱の内側に合板を切りはめる仕様です。
柱側面に下地木材を打ち付けて合板を打ち付けます。
合板打ち付け用の下地木材を取付け
下地木材:米松38mm X 50mm
釘種類:N75(鉄丸釘 長さ75mm)
釘ピッチ:200mm
構造用合板12mm
釘種類:CN65(太め鉄丸釘 長さ65mm)
釘ピッチ:100mm
和室(柱新設、開口壁→耐力壁)
無垢ひのき4寸角の柱を新設。
両袖壁が耐力壁になりました。
金物補強
耐力壁の4隅には必要耐力に応じた補強金物を取り付ける必要があります。
柱頭:シナーコーナー10kNを取付け
柱脚:オメガプレートSD15kNを取付け
新築と違ってリフォームの場合は、解体してみて初めて分かることが多く、想定外の対応も必要になってきます。
臨機応変に対応するためには、やはり経験と実績がポイントですね。
今回の工事では、30ヶ所に耐力壁を造りました。
天井裏や床下の狭い所での作業も多くてくたびれました・・・ (;´・ω・)
今回は耐震リフォーム・耐力壁補強をレポートしました。
次回はその他・仕上げ工事編です。