

中古住宅市場が活況です。
理由としては、
・建築資材の高騰により新築住宅価格が1割以上も値上がり、新築には手が届かなくなってきていること
・余剰ストックとなっている中古住宅の流通、活用促進に、住宅ローン減税、リフォーム減税など国を挙げて取り組んでいること
などが挙げられます。
でも、中古住宅を購入を検討するとなると不安も大きいのが実情です。
欠陥はないのか?
適正な価格なのか?
こうした不安解消のためにもホームインスペクションをおすすめします。
本日は、
2月に行なった、安佐南区の中古住宅のインスペクション実例をご紹介します。
建物概要:築25年程度の2階建て木造住宅
調査内容・所見
(基礎)
0.3mm程度のひび割れがありましたが良好な状況でした。
コンクリート探査機にて鉄筋の調査。鉄筋コンクリート造の基礎と確認できました。
(外壁)
軽微なひび割れあり。窓際などの幅の狭い外壁サイディングは急所ですね。
(バルコニー)
防水層のシート継ぎ目に亀裂がありました。雨漏りの恐れがありますね。
(屋根)
通常のインスペクションでは地上からの目視で確認となります。
らくらすホームでは屋根の劣化状態を見極め、可能な限り屋根上点検を行います。
間近で見て触れることで、より多くのリアルな情報を得ることが出来ると考えます。
今回は大きな劣化は見られませんでした。
(排水マス)
汚泥や異物などによる詰まりなどの異常がないか確認します。
良好でした。
(窓・建具)
開閉不良など確認します。
戸締り時に隙間があります。これでは隙間風が入って寒いですね。
水平を確認したところ8/1000傾きを計測。
サッシ枠がねじれていることが原因ですね。
(床・壁の傾き)
部屋ごとに計測します。
6/1000以上(1mの距離で6mm以上)の傾きは構造的な欠陥が疑われます。
傾きが一定方向に見られるときは建物全体の不同沈下の可能性が高くなりますので、より注意が必要です。
壁・柱の傾き測定 デジタル水平器を使用します。
床の傾き測定 レーザー水準器を使用します。
今回は全体的にみて3/1000程度の傾きでしたので、著しい欠陥は無しとなりました。
(内装)
和室天井にシミあり。雨漏り跡の可能性があります。
廊下壁に亀裂あり。
今回の場合は、ドア際の歪みやすいところで、下地の石膏ボードの継ぎ目に沿ってひび割れが発生していることから、大きな劣化事象ではないと考えます。
(設備機器)
水まわり、電気、ガス機器の作動チェックを行います。
今回は、電気・ガス閉栓中の為、水まわりのみの点検となりました。
給水、排水共に良好です。
洗濯機用の排水金具が無くなっていました。
(小屋裏・天井裏)
押入などにある点検口から確認します。
雨漏り跡、小屋組、梁のひび割れなどの異常はありませんでした。
筋交い、補強金物など確認できました。
(床下)
床下収納庫・点検口、ない場合は和室の畳下の板を剥がすなどして確認します。
今回は、キッチンの床下収納庫より侵入。
基礎、床組などのひび割れ、腐食、シロアリ被害、給排水配管の水漏れなどを調査、異常は無し。
以上が大まかな調査項目となります。
劣化事項、気付きなどをまとめた報告書を作成します。
調査結果報告書
結果概要、調査部位別の詳細報告書を作成します。
調査時の写真
劣化事象等を写真でわかりやすく報告します。
コメント付き図面
平面図に劣化箇所・内容、各部位の傾き測定結果などを書き込み報告します。
ホームインスペクションとは、例えるならば「住宅版の人間ドック」です。
ただの見てくれだけではなく、住まいの現状(健康状態)を正しく知ったうえで、リフォーム・リノベーション内容、予算配分を考えることが重要です。
これから始まる新たな暮らしを安心して過ごすため、あとから後悔しないために、中古住宅購入前のホームインスペクションは必要ではないでしょうか。