

政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、カーボンニュートラルを目指すことを宣言しました。
これに伴い、住宅の脱炭素化に向けた取り組みとして、省エネ性能でZEH水準を上回る等級を創設するとの発表が昨年末にありました。
これまで断熱性能等級は、省エネ基準レベルの等級4までしか設定されていませんでした。
今回、新たにZEH水準相当の等級5の設定に加え、等級6、等級7の創設に向けて検討が開始されました。
冷暖房にかかる一次エネルギー消費量を省エネ基準から等級6で約30%、等級7では約40%削減を目安に設定されています。
広島市で省エネ基準レベルの断熱等級4となると、壁面においては、外壁は充填断熱(高性能グラスウール100mmなど)、窓はアルミ樹脂複合サッシのLow-Eペアガラスが標準的な仕様になります。
これが断熱等級6になると、外壁の付加断熱(充填断熱+外張り断熱など)、窓は樹脂サッシのLow-Eペアガラスが最低限。
断熱等級7ともなると、ガラスはトリプルガラスが必須となりますね。
これに対応するため業界の動きも活発になっています。
LIXILでは、
トリプルガラス対応の新サッシ「TW」
トリプルガラス対応リフォーム用サッシ「リプラス 高断熱汎用枠」
を今年になり新発売しています。
家の断熱性能を向上させるうえで一番の弱点となるのは窓。最も熱の出入りが多いところです。
冬の場合、約60%の熱が窓から逃げているというデータもあります。
窓の近くに行くと、「さむっ!」てこと、よくありますよね。
窓の断熱性能を上げることが高断熱化には重要です。
断熱リフォームにおいても、まずは窓の性能アップを検討することをおすすめします。
ガラスの交換、内窓取付け、カバー工法によるサッシの取り替えなどであれば、解体もいらず、工事も1日で終わるので取っつきやすいですね。
では、トリプルガラスサッシの性能、価格はどうなの?
これ、一番気になるところですよね。
ダブルLow-Eトリプルガラスの樹脂サッシ(アルゴンガス封入)と、
Low-Eペアガラスのアルミ樹脂複合サッシ(乾燥空気封入)を比べると、
・断熱性能で約1.8倍(単板ガラスのアルミサッシと比べると約4倍)
※「ガラスと建具の組み合わせ」による開口部の熱貫流率 による
・価格は1.5~2倍程度
といったところが目安でしょうか。
広島のような比較的温暖な地域で、一般住宅に普及とは暫くなりそうにはありませんが、トリプルガラス窓が当たり前の時代がそのうち来るのでしょうか?