

こんにちは、園尾です。
先日、日本ホームインスペクターズ協会主催の「ホームインスペクション実地研修」に参加してきました。
日本ホームインスペクターズ協会とは、住宅購入者が安心して住宅を購入できるよう、瑕疵(欠陥)の有無などを診断できる専門家を育成し、住宅流通の透明化・活性化を促すことを目的として2008年に設立された団体です。
日本ホームインスペクターズ協会HP
当日は、リノベーション前の実際の中古住宅で、
診断機材の説明、基本的な診断方法や手順の実践を学ぶ、という内容でした。
診断機材の説明
あると便利な小道具、自作の診断器具など、参考になりました。
壁・床の傾き計測
デジタル水平器、レーザー水平器を使った計測のポイントを教わりました。
部分的な傾きだけではなく、建物全体の不動沈下、傾き方向を推測することが大切です。
住宅設備の水漏れ・作動チェック
キッチンなどの水周り設備における水漏れの急所、
換気扇の動作・機能の確認方法など。
基礎のひび割れなどの劣化事象のチェック
基礎の劣化事象の確認方法、写真撮影時のコツ。
基礎の配筋(鉄筋の有無)調査
鉄筋探査機を使って基礎の鉄筋の有無、ピッチなどを計測します。
外壁の浮きなどの劣化事象のチェック
打診棒を使って外壁の浮きがないかチェックします。
外壁を撫でるように打診棒を動かし、音の変化で剥離を確認します。
小屋裏調査
物入の点検口から小屋裏の調査。
参加者も小屋裏を覗き込み、それぞれの気付きを発表しました。
私は屋根瓦の下に敷いてある防水紙の欠損を発見!!
小屋裏から空がチラリと見える状態、このままでは雨漏りが心配です。
床下調査
こちらも参加者が実体験、気付きを発表しました。
床下の基礎のクラックと、外部のクラック位置が一致するところはないか、
これをチェックすることが大切です。
内外にクラックがあれば、割れが貫通している可能性が高く、大きな劣化事象となります。
今回の研修で学んだこと。
依頼者目線での調査・診断、これが重要と感じました。
第三者的立場での調査というのが大前提ですが、依頼主にとって本当に有益かつ必要な情報を届けることは外せません。
ただ部分的な劣化事象の有無だけを報告するのではなく、そこから読み取れる建物全体の健康状態を推測し、助言することも必要です。
研修でも言われていましたが、
「木を見て、森を見ず」
これではいけませんよね。
例えば、外壁や基礎のひび割れがある箇所に集中していたり、
床、壁の傾斜方向がある方向に偏っていれば、
建物の不同沈下を探ることが出来ます。
ホームインスペクションとは絶対的な答えのない調査です。
診る人、
診る場所、
診る時間、
調査方法、
報告様式、
それぞれが違えば、結果もまた違う場合があります。
いかにして見落としなく、精度をあげていくか?
やはり、モノを言うのは、経験・知識・技術です。
今回のような、実務者が集まっての研修は、
情報を共有し、知識を高め、
日頃の業務での問題点や悩み・失敗談などの意見交換ができ、
とても有意義なものでした。